PFASの基礎知識

2023年11月30日、国際がん研究機関(IARC)はPFOSとPFOAを発がん可能性が高いグループへと引き上げました。今回はPFASに関する基本的な知識について解説します。

目次

  1. PFASとは?
  2. PFOSとPFOAにおける規制強化の概要
  3. PFAS測定、承っております
  4. 工場排水や材料分析、ご相談ください

PFASとは?

PFAS(多環芳香族炭化水素)とは、化学物質の一群です。

有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び1万種類以上の物質が存在します。

長い間の利用と排出により、環境への影響や健康への懸念(発がん性の疑いなど)が浮上し、国際的な規制が求められるようになってきました。

特長

PFAS 特長
  • 非粘着性
  • 耐油性
  • 撥水性
  • 非常に安定していて生物分解されにくい
  • 環境中や生物体内に蓄積する可能性がある

用途

PFAS 用途
  • 衣料品
  • 調理器具
  • 包装材
  • 消防用具など・・・

PFOSとPFOAにおける規制強化の概要

有機フッ素化合物のうちPFOA及びPFOSについて、世界保健機関(WHO)傘下の一機関である国際がん研究機関(IARC)が発がん性を評価し、クラスを4段階に分類しました。

PFOS,PFOA規制強化

新たに追加されたPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は、半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤など、主に防水性や油や水をはじく性質を持つ製品に利用され、さまざまな産業で使用されています。環境中での長期間の残留や生物への影響が懸念されています

規制が強化されたPFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、フッ素ポリマー加工助剤・界面活性剤などに主に使われ、PFOS同様広く使用されていますが、環境中に放出されると長期間分解されず、生物蓄積しやすい性質があります。環境中におけるPFOAの存在は、水や土壌、さらには生物体内にも見られ、その影響が懸念されています。

以上のように、PFOS、PFOA はコレステロール値の上昇、発がんリスク、免疫力低下など人体への有害性が懸念される報告がなされており、規制や代替品の開発が進められています。

PFAS規制に関する最新情報はこちら

PFAS測定、承っております

環境水中の測定
  • 分析方法:固相抽出-LC/MS/MS法
  • 対象:環境水(河川、湖沼、海域、地下水)、飲料水
  • 指針値:50ng/L(環境水)、50ng/L(飲料水 管理目標値)

PFASの測定 固相抽出-LC/MS/MS法

材料中の測定
  • 分析方法:溶解再沈殿法
  • 対象:消泡剤等の混合物、半導体製造装置、繊維関係、水処理膜等
  • REACH PFOA規制:25ppb以下

PFASの測定 溶解再沈殿法

工場排水や材料分析、ご相談ください

PFASに関連する工場排水の分析や開発材料の分析などの課題がございましたら、ぜひご相談ください。数々の分析実績を持つプロが、最適な分析手法を案件に合わせてご提案いたします。

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