SDGsは今後、企業が避けて通れない課題となっています。ある企業でSDGsの取組みを進めていく中で課題でもあった消耗品のコスト削減にもつながった事例をご紹介します。

目次

  1. ある化学メーカーの熱電対更新の事例
  2. 再生・再利用可能なパーツを検証
  3. SDGsへの取り組みが大きなコストメリットにもつながった

ある化学メーカーの熱電対更新の事例

熱電対

ある化学メーカーではSDGsへの取り組みとしてリサイクル可能な資材について見直しをしていました。

これはSDGsの17目標のうちの目標12-5に該当する「廃棄物の発生防止、削減、再生利用、再利用により廃棄物を大幅に削減する」に該当するリサイクルについての取組みでした。

そこで目をつけたのが熱電対でした。このメーカーでは製造工程上で多くの熱電対を使っており、特に高温域で使用する白金の熱電対が使われていました。

温度条件も厳しいことから定期的に断線などの故障もあり、更新費用もかさんでいました。さらに、故障した熱電対は廃棄、更新は装置メーカーの丸投げ状態でコスト管理もできていませんでした。


再生・再利用可能なパーツを検証

このような状態でしたので熱電対のパーツの中で、再生や再利用ができるものがないかを検証することにしました。

熱電対はおおむね次の5つの部品で構成されています。

①熱電対の素線(白金) ②セラミックス絶縁管 ③セラミックス保護管 ④SUSカラー ⑤密閉型端子箱


熱電対のパーツ

このうち①の素線は改鋳し再生が可能です。②の絶縁管は再利用不可ですが、③の保護管④のカラー⑤の端子箱はいずれも状態により再利用が可能でした。そこで①の素線を改鋳再生、③④⑤を再利用することにしました。


SDGsへの取り組みが大きなコストメリットにもつながった

相談前
  • 定期的な断線などの故障
  • 故障した熱電対の廃棄
  • 更新は装置メーカーへ丸投げ状態によるコストの増大化

相談後
  • ※1①の素線の改鋳・再生、※2③④⑤を再利用による単価ベースで約30%のコスト削減
  • SDGsへの貢献だけでなく課題であった消耗品のコスト削減にも成功
  • SDGsへ取り組むことで企業の社会的責任を果たしつつ、利益も拡大


※1 お取引時は白金故線を実際に溶かして改鋳したものではなく、改鋳扱いでの引取り値引きとなります。引き取った重量(g数)と相場により価格は変動します。
※2 白金の相場によりコスト削減率は変わります。相場価格が高いほど削減率は高くなります。事例はR熱電対φ0.5×1000=8.1gを引き取り改鋳した場合

相談してみる
関連した製品事例

基板の不具合、あきらめていませんか?

装置や機器に使われている基板の具合が悪い!?でもまだ直して使えるかもしれません!
2022年6月10日

保守終了品だけど・・・修理したい!

メーカーの修理サポートが終了してしまった電子計測器・産業用電子機器の修理をしてほしい・・・。 装置に組み込まれている計測機類は容易に置換え等ができず、故障時に修理したいのに修理先がわからない・・・そんなときはお問い合わせください!
2021年11月24日

ポンプ部品を見直すことでメンテナンスサイクルが10倍に伸びた!

製造工場の様々な箇所で使われている産業用ポンプ。 ポンプ部品の消耗原因を究明し部品を特注対応することで月に1度のメンテナンスが年に1度のメンテナンスに伸びた事例をご紹介します。
2021年8月5日
「こんな測定・計測したい・・・。こんな制御をしたい・・・。でも、どんな製品・機器を使ったらできるの???」
そんなR&Dやものづくりに関するあらゆるお悩みは、私たちにお任せ下さい。
業界に関する知見や様々な専門知識を持ったプロが解決いたします。