石英管が失透する原因は?失透のメカニズム

石英管を使用していると「失透」が発生することがあります。

この「失透」とはガラスの結晶の状態が準安定な状態(非結晶)から安定的な状態(結晶)「クリストバライト」に変化することでおこります。

失透した石英管1
生成物が付着し失透した石英管

「失透」が発生しやすい条件

一般的には1,150℃以上で使用していると失透がおこるとされ、1,200℃を越え高温になればなるほど失透が促進されると言われています。

しかし、1,000℃以下の低温でも失透がおこることが多くあります。

これはガラスに不純物、特にNa,Ca,Kなどのアルカリ系のものが付着していると低温でも「失透」現象がおこります。

失透した石英管は修理して透明状態に戻すことが可能です!

失透してしまった石英管は管内の状況が見づらく、生成物の付着もありそのまま使用しつづけることはできませんがすぐに廃棄しなくても再び透明状態を取り戻すことができます

ガラス表面についた不純物や生成物は洗浄して落とすことができますが、ただそれだけでは結晶が変化しておこった失透は透明な状態に戻すことはできません。

ではどのようにして透明状態を取り戻すことができるのでしょうか?

「焼き上げ」修理で再び透明状態に

「焼き上げ」修理の前後比較

失透した石英管
失透した石英管

「焼き上げ修理」後、透明になった石英管
「焼き上げ修理」後、透明になった石英管

「失透」した石英管を再び透明な状態に戻すには、「焼き上げ」と言われる作業が必要です。

これは石英の加工と同じくバーナーを用いて高温の火炎で石英管を「焼き上げ」ていきます

この作業により失透した状態の石英管が再び透明な状態を取り戻すことができます。

この「焼き上げ」修理は限りなく繰り返し行えるわけではありませんが、石英ガラスのコンディションが劣化するまで繰り返し数回行うことが可能です

失透してしまった石英ガラス製品を再び活用したいお客様は、ぜひご相談ください

弊社では石英管の修理にも対応しており、専門知識と技術を駆使して製品を元の透明な状態に復元するサービスを提供しています。

石英ガラスはその高い耐熱性と耐腐食性からさまざまな産業で幅広く利用されております。

一度失敗した製品を捨てる前に、再利用の可能性をご検討ください。

お客様のニーズに合わせた修理や補修を行い、貴重な石英ガラス製品を再びご使用いただけるようサポートいたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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