今や35度を超える気温が通常となった世の中。自分達を冷やすことも大事ですが、常に熱を発する電子機器の熱対策はどうしていますか?チラーは機器を安定させるのに必要不可欠な冷却装置です。そんなチラーをご紹介。

目次

  1. チラーの役割
  2. 冷却方法
  3. 冷却能力も大きさも様々

チラーの役割

どんな電子機器でも使用すれば熱を帯びていきます。この熱をそのまま放置してしまうと熱暴走となってしまい、熱による誤作動や性能の劣化につながります。この熱暴走を防止するためにチラーによる冷却が効果的です。例えば以下のような役割があります。

半導体製造

露光装置やチャンバー、ウェハーの温度制御にはチラーによる冷却が活用されます。ナノメートル単位の精度が要求される中で工程の安定化につながります。

レーザー

レーザー照射時、発振器部分からも熱が発生します。冷却することでレーザー出力の安定を図ります。

データセンター

データセンターにおけるサーバーはスペックや容量が大きいほど、大きな熱を発生させます。空調による冷却と同時にチラーによる冷却をすることでサーバーが落ちることを防ぎます。

冷却方法

  • 空気冷却(空冷)
    一般的にファンやヒートシンクを使って吸熱した熱を周囲に排出します。比較的低コストで導入可能ですが高い冷却能力を求められる場合、水冷と比べて限界があります。
  • 水冷却(水冷)
    冷媒にたまった熱を冷却水で循環させることで熱を冷却します。高性能なプロセッサなど、高熱を発する電子機器に主に使用されます。熱効率が高い分、ポンプや配管しシステムなどの設備が必要です。また、水漏れの可能性も考慮する必要があります。
  • 液体窒素冷却
    主に顕微鏡などの実験・検査機器に使用されます。非常に低温で高い冷却能力があり、急速冷却が可能ですが、その危険性から専門知識が必要です。取り扱いも難しく、頻繁に液体窒素を補充する必要もあります。
  • ペルチェ素子
    冷却と加熱を制御する半導体素子です。フロンなどがいらず環境に優しい作りです。その分大きくなるほど効率が悪くなり、かつセラミックベースの基板なので壊れやすい欠点もあります。

冷却能力も大きさも様々

コンプレッサーが手のひらサイズのようなコンパクトさでありながら600W~の冷却能力があるものもあればラックマウント型のチラーもあります。キロワットレベルの大型のチラーもございます。希望の冷却能力とスペースと照らし合わせて選定が必要です。

また、メーカーによってはカスタム対応も可能なため、お気軽にご相談ください。

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