製造工場において自動化設備のテスト機を提案・導入したことで、お客様が課題として抱えている
『業務効率化』、『作業者の負担軽減』を具体的に検討いただくきっかけとなった事例をご紹介します。
“工場設備の自動化”
このワードを耳にすると、ロボットアームやベルトコンベアなどの、無人の生産ラインを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当社では、そのような最新の設備をご提案! ではなく・・・
これまで人が行っていた作業を、機械を使って特定の作業だけ自動化したいというニーズにもお応えしております。
一体どういうことでしょうか?
ここからは、実際にあったお客様の事例についてお話ししていきます。
1日8時間×5日間つきっきりの辛い作業
某薬品メーカー様では、自社で製造した薬液を容器に充填する工程において、以下の作業を行っていました。
作業①:薬液が入った10立米*のタンクが到着します。
*10立米=10,000リットル
作業②:薬液を小分けにするための容器*をセットします。
*200Lのドラム缶や、20Lのポリタンクなど、容器の種類は様々
作業③:タンクにノズルを投入し、ポンプのスイッチをON!
(ポンプがタンク内の薬液を吸引し、容器へと送液を開始します)
作業④:容器を乗せた秤が指定の重量に達したところで、スイッチOFF!
→指定の重量に達しない(又は超過した)場合、微調整をしなくてはなりません。
作業⑤:容器にキャップをはめて、出荷パレットに移します。
作業⑥:次の容器をセットします。
以降は、③~⑥の作業を定時のチャイムが鳴るまでひたすらくり返します。
次の日も、そのまた次の日も、この作業が担当者を待っています。
「手作業はなくして、一括でシステム管理したい!!」
(↑思わずこんな表情に・・・)
“特定の作業”だけを自動化
とはいえ、前述の作業を全てシステム化すると、壮大なスケールになるのは目に見えています。
そこで、特にネックとなっていた指定の重量に達したところで“充填を止める”作業だけをシステム化し、自動化設備のテスト機として提案をさせていただきました。
お客様からのご要望として、
・容量に対して、誤差0.5%*の精度が必要
*200Lの容量に対して、±1Lの誤差
・テスト機なので、あまり大きな予算は組めない
といったものがございました。
誤差0.5%をクリアするため、流量精度の高いポンプ、バルブ、流量計等を選定しながらも、お客様で既にお持ちの機器や部材をシステムの一部に組み込むことで、コスト削減に繋げました。
自動化テスト機のメリットとは
今回のお客様では、テスト機を導入したことで
・多種ある自社製品を問題なく充填できるかどうか?
・製品毎で、出荷準備にどれだけの時間がかかるのか?
これらのデータを得ることができています。
得られたデータから、複数の容器に同時充填することでさらなる効率化を図ったり、作業手順の見直し・効率化を図ることで、自動充填システムを設備として本格導入した場合、従来8時間かかっていた作業が、半分の4時間で完了することが予測されています。
今回のお客様では、さらにステップアップして工場全体の自動化も検討されているようです。
このように工場の生産ライン全体ではなく、一部の作業だけを自動化するだけでも大きなメリットが生まれるかもしれません。貴社も、手間になっていた手作業の“自動化”を検討されてみてはいかがでしょうか。