24時間稼働3交代制
ある部品メーカーでは、業界の活況を受けて24時間操業し3交代制で生産しています。
必然的に作業をする方も年齢や性別、作業スキルもさまざまな方が働いています。
部品メーカーでは作業員の入替えが多いので作業はなるべくマニュアル化するように取り組んでおられました。
安全対策を求められる
ある時、部品メーカーの納入先のお客様が工場監査に来られました。
安定供給のための体制ができているかどうかなど、様々な視点でチェックが入ったそうです。
その中で、ある工程について安全対策を求められました。
危険が潜む作業
工場監査で指摘を受けた工程は、装置部品のメンテナンス作業でおおよそ以下のような作業内容でした。
これを体格や体力に差がある各々オペレーターが作業することに対し、安全上の懸念があるとの指摘を受けたそうです。
①装置から、重さが30kgほどある部品を取り外す
②部品を90度回転させ、部品の底面を露出させる
③装置の使用に伴って部品底面が汚れるため、汚れを清掃
④再度もとどおりの状態に部品を装置にセットして終了
労働基準法に定める継続作業にはあたりませんが、これに対して部品メーカー側も危険のポテンシャルを認め、対策を施すこととなりました。
安全第一
作業の改善に向け部品メーカー様と打合せを重ねた結果、下記のご要望を反映した搬送台車を製作、納入いたしました。
①さまざまな人が作業をすることが想定されるため、安全対策を二重に施してほしい
→部品はトグルクランプとスライドノッチで固定、作動時は差し込みピンとダンパーでロックが掛かる仕組みとしました
②上記と同様の理由で、それほど人の力を必要としないで部品底面が露出する仕組みとしてほしい
(電気を使用しないで、手動だが軽い力で作動するようにしてほしい)
→エアダンパーを用いて軽い力で操作できる仕様としました
③ひとつ30Kgの当該部品を3つ積載したい
④積載したまま移動できるように台車にキャスターを付けてほしい
お客様からは安全性が確保され、また現場での使用感がよかったとのことで、特に機構等の改善をすることなく追加で同型搬送台車のご注文をいただく予定です。
当社ではこのようにお客様との打ち合わせを経て、ご要望に合った安全対策加工品の作成も承っております。