手に触った感じがこの品とあの品では異なるというのはよくある話しですが、実際何がどう違うのか?「テクスチャーアナライザー」という物性を計測する装置で同じメーカーのハンドソープと洗顔料を計測してみました。
目次
ハンドソープと洗顔料の泡、どう違うのか?
スーパーやドラッグストアなどで販売されている、同じメーカーのハンドソープと洗顔料の泡とではなにが違うのか?
「テクスチャーアナライザー」という万能物性試験機で計測して違いがあるかどうかを確かめてみました。
※なお、あくまで物性のちがいを見るという観点のもと測定を行っていますので一般的な計測方法と異なる場合もありますがご容赦ください。
【測定手順】どのように泡を測定するの?
「テクスチャーアナライザーCTX」を使用して、下記の条件で、Soap a(ハンドソープ)を2回測定、 Soap b(洗顔料)を1回測定しました。
1.容器に泡を入れて上部を平らにします
2.同じ条件で測定します
- テストモード:圧縮(1回)
- テストスピード:1mm/S
- 圧縮距離:10mm
【結果】2つの泡にどんな違いがあるのかを数値で把握できた!
下図のように、泡のような極めてやわらかいものであっても、物性の違いを目に見える数値としてとらえることができています。
グラフの見方
- プローブ(圧縮冶具)が下方に移動して泡の圧縮が始まると荷重値が上昇、プローブが指定距離まで到達すると、荷重値が最大に到達。(硬さ)
- 圧縮が終わるとプローブが上方に移動を開始し、泡を圧縮していた力が解放されると荷重値が0gまで下がる
- さらに上方移動するとプローブに付着した泡によりプローブが引っ張られ、荷重値がマイナス方向に向かっていく(付着力)
- 付着した泡がプローブから離れていくと、荷重値は0gに近づいていく
~用語説明~
- 硬さ :プローブ(圧縮する冶具)がサンプル(泡)を指定距離まで圧縮する際に必要な荷重値で、値が高いほど硬く、低いほどやわらかいことを示します。
- 付着力:プローブが上方移動する際にプローブに付着したサンプルがプローブを引っ張る最大荷重値を示します。
測定結果
Soap a(ハンドソープ)
Soap a(ハンドソープ)を※2回測定したところ、硬さ・付着力・付着性はほぼ同じ値を示した
→時間が経過しても泡自体を保持する力がある、つまり手を洗っているぐらいの時間であれば泡が消えずに残るよう意識して商品開発がされているのではないか
※soap aの測定について:今回の測定は同一母体のサンプルですが、時間をおいて繰り返し測定したのではなく(経時変化を見ていない)、それぞれ別容器にサンプリングし同条件で測定した測定結果となります。
Soap b(洗顔料)
Soap b(洗顔料)はSoap a(ハンドソープ)と比較して、硬さ・付着力・付着性の全ての項目が大きい値を示している
→洗顔用ということを考慮し、垂直になっても肌から泡が落ちたり流れてしまわない様、最適な付着性を維持できる泡となるように工夫がなされているのではないか
測定再現性が高い!テクスチャーアナライザーのすゝめ
下図はSoap a(ハンドソープ)を2回測定した際のグラフです。
グラフは同じようなカーブを示しており、これはサンプルの物性が安定している事を示すとともに、テクスチャーアナライザーの測定再現性の高さを表しています。