2022年4月改正の大気汚染防止法及び石綿障害予防規則の改正により、建築物・工作物などの解体・改修工事を行う際は、石綿含有調査者による事前調査を行う義務があります。
そもそもアスベスト(石綿)って何?
アスベストは、天然に存在する繊維状の鉱物の総称です。
耐熱性、耐薬品性、断熱性、絶縁性などの優れた特性をもつことから、21世紀始めまで建築材料や工業製品に広く使用されていました。しかし、健康に対する重大なリスクが明らかになるにつれ、現在では多くの国で使用が禁止されています。
アスベストは非常に細かい繊維状の物質であり、空気中に浮遊しやすく、吸入すると肺に深刻な健康被害をもたらします。
日本における法改正
2022年4月1日の大気汚染防止法及び石綿障害予防規則改正により、建築物・工作物などの解体・改修工事を行う際には、工事の規模、請負金額に関わらず事前調査を行う義務がある旨が定められました。
2023年10月以降は「建築物石綿含有調査者」が調査しなければならないこととなりました。さらに、以下の場合は事前調査結果の届出義務も発生します。
- 建築物の解体工事において対象床面積の合計が80㎡以上
- 改修工事の場合は請負金額の合計が100万円以上
アスベストが含有している可能性がある建材の例
工場の壁のスレート波板
床の塗材
フリアク支持脚の接着剤
吹付け材
ケイ酸カルシウム板(第2種)
実験室の机の天板
事前調査が必要なケースは?
建築物や工作物に穴を開けるといった工事が対象となります。
- 設備や設備の導入に伴い、配管工事で壁や床、天井に穴を開ける
- 装置固定のため、壁や床に穴を開け固定治具を取り付ける。
- 工場レイアウト変更のため、室内の壁やフリーアクセスフロアを撤去する。
- 天井内や、床下に配線ルートを確保する。
違反するとどんな罰則があるの?
アスベスト調査報告を怠った、または虚偽の報告を行った場合は30万円以下の罰金、アスベスト除去などの設置義務に違反すると3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
また、工事元請業者だけではなく、アスベストが使用されている建築物を所有している場合、適切に維持・管理する責任は建物等の所有者にあります。
- 建築基準法12条:定期検査でアスベストの劣化状況を調査報告しなくてはいけない
- 民法717条:建築物の利用者に健康被害が生じた場合に損害賠償責任。
- 石綿障害予防規則:損傷・劣化したアスベストは除去・封じ込め等の飛散防止対策を行わなければならない。
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