過剰設計を防止!最適なポンプを選定するために必要なこと

目次

  1. ポンプ選び、こんなお悩みありませんか?
  2. 実は・・・ポンプの選定は性能曲線だけではNG!
  3. ダルシーワイスバッハの式を活用してポンプを選定
  4. メーカーとの連携も万全!最終的な検証や調整をスムーズに進めます

ポンプ選び、こんなお悩みありませんか?

ポンプはあらゆる分野において必要不可欠な配管部品です。そのため、ポンプには様々な種類が存在し、どのようなポンプを選べばいいのかわからないという方も多くいらっしゃいます。

お客様6
  • ポンプの種類が多くて、どれを選べば良いか分からない・・・
  • カタログの性能曲線を見て選んだのに、流量が足りない
  • 装置の設計変更でポンプの再選定が必要になったけど、メーカーとのやり取りが面倒くさい・・・!

実は・・・ポンプの選定は性能曲線だけではNG!

過剰設計を防止!最適なポンプを選定するために必要なこと

ポンプの性能曲線は、揚程と吐出量から最適なポンプを選定できるようになっており、多くの方はこの性能曲線だけでポンプ選定を行っています。

しかし、性能曲線には配管径や配管長、立ち上げ距離等、流量を決定するための要素が加味されていません

そのため、性能曲線からポンプを選定しても流量不足やオーバースペックになってしまい、結局ポンプメーカーに検証を依頼することも多々あります。

実際、ポンプカタログの性能曲線をもとに自社で植物栽培装置用装置の循環ポンプを選定したものの、いざ装置に組込んだら多段のラック毎に流量が不均一になり、適正な流量が得られない不具合が生じてしまった、というお客様が過去にいらっしゃいました。

特に装置設計段階においては、配管長さや高さ、必要流量の変更がしばしば伴い、その都度最適なポンプ選定が必要となります。

上記のように、ポンプ選定には性能曲線だけでは不十分!しかし、ダルシーワイスバッハの式を理解することで、最適なポンプ選定が可能です!

ダルシーワイスバッハの式を活用してポンプを選定

ダルシーワイスバッハの式とは?

過剰設計を防止!最適なポンプを選定するために必要なこと

配管の抵抗や立ち上げ距離などを考慮して、本当に必要なポンプの能力を計算できる式です。

配管抵抗(直管内摩擦損失水頭)を求める計算式で、配管長さ(L)や配管径(d)、流速(V)から計算して求めることができます。(fは無次元係数のダルシー数、gは重力加速度)

この式を用いることで、ポンプ必要吐出揚程を以下の式によって算出することができます。

ポンプ必要吐出揚程=配管抵抗(直管内摩擦損失水頭)+立ち上げ距離

この計算式を用いることで、立ち上げ距離を加味した最適なポンプ選定をお客様自身ですることができるようになります。

過剰設計を防止!最適なポンプを選定するために必要なこと
直管100m当りの摩擦損失水頭例

この式を活用してできること

  • 立ち上げ距離を加味した最適なポンプ選定
  • ポンプの流量不足やオーバースペックを防止

メーカーとの連携も万全!最終的な検証や調整をスムーズに進めます

上記のように、最適なポンプ選定は性能曲線だけでは不足があり、ダルシーワイスバッハの式を適用することでポンプの流量不足やオーバースペックを防止することができます。

しかし、場合によっては液体の粘性や配管継手の数や形状によっても条件変化が生じるので、最終的な検証はメーカーに依頼する必要があります。

ものづくりサイエンスナビならお客様の状況に合わせて最適なポンプ選定をサポート可能です。ポンプ選定でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

相談してみる
関連した製品事例

ポンプ故障の予防保全

マグネット(遠心)ポンプが急に故障し、生産へ影響が出てしまった。 故障の予防保全がしたい。そのようなお困りごとありませんか?
2021年2月12日

排水中の油分処理にお困りの方、必見!

製造、清掃、排水、各種現場での油分処理は出来ていますか? 製造現場や清掃時などに出た油分はどのように処理されていますか。 排水溝に流れ込んだ後は、どんな状態になっていますか。 塊になった油汚れが配管に詰まったり、ニオイや虫が発生したりはしていませんか。
2021年2月12日

【検定合格品】可燃性物質の乾燥に最適な、点火源が無い防爆乾燥器

工場における爆発事故は、生産停止や設備の甚大な被害、装置の稼働停止による損害だけではありません。本記事では防爆検定合格品の防爆乾燥機をご紹介!
2021年5月13日

タンクを開放することで生じる異物混入や事故を防止する自己保持型フロート式液面計

タンクを開放せずに交換可能な自己保持型フロート式液面計は、従来の液面計交換に伴う様々な問題(異物混入やガス漏洩等のリスク回避、タンク開放・清掃作業の省略による作業時間の短縮)を解決します。タンク内の異物混入や作業員の安全確保、作業効率の向上にお悩みの方は、ぜひ本製品をご検討ください。
2021年6月3日
「こんな測定・計測したい・・・。こんな制御をしたい・・・。でも、どんな製品・機器を使ったらできるの???」
そんなR&Dやものづくりに関するあらゆるお悩みは、私たちにお任せ下さい。
業界に関する知見や様々な専門知識を持ったプロが解決いたします。