官能評価や点測定の色差計を使い、これまで行ってきた『色』の評価。
今回は、二次元色彩計を導入したことで自社で開発する製品の品質向上、開発・製造部門における省力化を実現した事例をご紹介します。
人間の目では判別が難しい“色の違い”を数値化したい
「官能検査は個人によって判定にバラつきが出てしまう」
このようなお客様からのお悩みの声をよく耳にします。
あるお客様は、半透明の色味がある化粧水に対して、
・配合を変えた際に生じる『従来との色の違い』
・時間経過で生じる『色の経時変化』
これらを数値化して製品の品質を向上することが課題となっていましたが、冒頭で挙げた「官能評価での不確かさ」や、「場合によっては判別できない」といったことが問題となっていました。
※官能検査・・・人間の五感(目・耳・鼻・舌・皮膚)を使用して品質を判定する方法。メッキや塗装の光沢、色つや・表面傷・表面の粗さ・音質などの品質特性を、感覚で判定基準と対比して合否を判定する検査方法。
色差計を使った測定も行っていたものの、『点』の測定になるため、数多くのポイントを測定する必要があり、それらひとつひとつの確認・検証が必要で、測定ポイントの位置合わせなど、手間のかかる作業でした。
そこで、色味の変化を面で捉えることができる二次元色彩計を検討することになりました。
『二次元色彩計』が人の目の代わりになる
ここからは、二次元色彩計(PPLB-400)を使った測定例をご紹介します。
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ここに、5種類の化粧水を注いだ容器があります。
目視評価で「最も黄色が濃い」と判断された化粧水を基準として、比較対象の化粧水はどのような色の差が見られるかを測定します。
二次元色彩計の測定データがこちら⇩⇩⇩
- Δbは、黄色と青色の間の位に対応しており、正の値は黄色寄りで、負の値は青色寄りとなります。
今回の場合、比較対象1のΔbは“-3.132“なので、基準よりも「青色寄り」、つまり基準の方が黄色味が強いということが数値で改めて分かります。
さらに、比較対象2は“-7.241“なので、比較対象1よりももっと青色寄りとなります。
(ちなみに、Δaは赤色と緑色の間の位置に対応し、正の値は赤色寄りで、負の値は緑色寄りとなります) - ΔEは色差を表しますが、比較対象1は基準に対して“2.116”。
これは、目視における色の離間比較ではほとんど気付かれない色差であり、一般的には同じ色と思われるレベルです。
これに対して、比較対象2のΔEは“4.994”。
これは目視において印象レベルでは同じ色として扱われますが、色材料や材質感に差があるため、塗料業界やプラスチック業界では色違いによるクレームとなることもあるようです。
一致度のパーセンテージからも分かるように、「比較対象2よりも、比較対象1の方が基準の色に近い」ということが確認できました。
一致度(色分布一致度)とは?
このように、色の積算データを用いて色分布一致度を算出することで、「基準のサンプルと比較対象物がどれくらい違って見えるのか?」を非常に分かりやすく表しています。
いかがだったでしょうか。
目視では色の判別がむずかしいサンプルも、『二次元色彩計』を使えば“瞬時に” “非接触で” 比較測定することが出来ます。
官能検査での判定バラつきや目視では色の判別がむずかしい対象物などに対し、今後の商品開発や、品質管理の面で大いに役立てることが出来るのではないでしょうか。
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