日本酒は古くから作られており、その味はそれぞれの蔵元で培われてきた伝統の作り方で作られてきました。しかし、現在は日本酒の製造にも新しいテクノロジーを駆使した製造機器や方法が使われています。今回はそのような機器を3機種ご紹介します!
杜氏の職人技を撹拌技術で再現
日本酒製造に欠かせない、酒造りの一切を取り仕切る責任者である杜氏(とうじ)という方がいらっしゃいます。
そして、その杜氏が行う重要な作業が「櫂入れ(かいいれ)」です。「櫂入れ」とは、酒母やもろみなどの材料(水と麹と蒸米)を櫂棒でかき混ぜる作業を言います。この作業が日本酒の味を決める非常に大切な作業であると言われていますが、その作業を「羽根の無い特殊な撹拌体」を用いて自動化した装置があります。
この羽根の無い撹拌体は、
側面の穴が遠心力を生んで撹拌することで温度ムラを無くし発酵を促進させ、酒米や麹を均一に発酵させることが可能です。
近年は「杜氏」の方も高齢化している中で、その伝統的な作業を機械化することでその「技術」や「味」を伝承していこうとするものです。
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旨味や香味成分がしっかり残る!「上槽システム」
このシステムは吟醸酒の品質を上げるために、遠心分離機を使ったシステムを作りたいという依頼が始まりでした。「上槽」とはタンクで仕込まれた発酵・熟成したもろみを搾り、酒と酒粕に分ける作業です。
通常もろみはフィルタープレスで搾りますが、これではせっかくの良い香味成分が飛んでしまったり雑味が入ってしまいます。それに対してこのシステムではもろみを自動で分離機に入れた後は密閉して高速回転で分離かつ、槽内を0℃近くまで冷やして搾るので旨味や香味成分が多く残ります。これはガスクロで分析した結果のデータでも証明されています。
このシステムを「吟醸もろみ上槽システム」といい近年多くの清酒メーカーでお使い頂いており、海外でもお使い頂く例も出てきています。
「もろみ・酵母・麹」の温度調節はスマホで管理!
日本酒の製造には温度管理が非常に重要であることはご存知かもしれませんが、従来は蔵まで足を運ばないとできなかった、もろみや酵母、麹の品温の確認と設定変更が遠隔地からスマホで行うことできるようになっています。
どこにいても状況に合わせた迅速な判断と対応が可能で、計測値の自動記録と帳票作成も簡単にできますので品温管理の労力を大幅に軽減することが可能です。このシステム「もろみ日誌クラウド」は、酒造3工程(もろみ・酵母・麹)の品温を支援するシステムで、品温のほかにも日本酒度(辛口、甘口)やアルコールなどの分析値、状ぼう写真を含めた事績をデータ化することができ、技術の継承にも大変役立ちます。
どんな事でも、お気軽にご相談ください!