自動車のEV化によるデジタル化が加速しメーターやヘッドランプなどの明るさや色を評価する際に分光計測のニーズが増えています。従来、複数の輝度や色度を評価できる2D(イメージング)タイプは分光特性が評価できませんでしたが・・・

目次

  1. 分光とイメージングの融合
  2. 2D分光放射計「SR-5100」による高精度な分光計測
  3. 自動車メーターパネル評価
  4. 車載ランプ評価
  5. 車載内装部材評価

分光とイメージングの融合

従来の分光放射計

従来の分光放射計や輝度計は測定箇所を視準して、一点一点の輝度測定を行います。しかし、メーターやインパネ部品の測定ポイントが膨大になり、作業・評価時間が増大しました。

このようなニーズに対応するため計測器にカメラを搭載し多点の輝度や色度を評価できる2D(イメージング)タイプの輝度計も広まってきました。

また、近年ユーザの管理精度が向上し精度の高い計測器が必要となってきましたが、従来の2D(イメージング)タイプの輝度計では高精度に測定ができる分光特性を評価することができませんでした。

2D分光放射計「SR-5100」

2D分光放射計「SR-5100」は長年培った光学技術を駆使し、高精度な分光計測と、多点評価の両立を実現した画期的な光計測器です!

非破壊・非接触でメーターやインパネ、ヘッドランプなどの光源の波長特性や部品材料の分光透過率特性、物体の分光反射率特性などを500万画素の高解像度で380 ~ 780nmを1nm毎に分光特性評価を行うことができます。


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SR-5100 分光特性評価

2D分光放射計「SR-5100」による高精度な分光計測

  • 分光放射計と同等レベルの測定精度を確保
  • 複数回にわたって行っていた多点測定を1回で計測
  • 測定領域内の分光ムラを表示

従来の2D(イメージング)タイプの輝度計は測定方式としてXYZフィルタを搭載していることが一般的です。

近年インパネのLED化が進み、メーターディスプレイに採用されはじめた量子ドット(QD)の色変換に用いられる青色LEDバックライトや、有機EL(OLED)タイプのディスプレイは発光スペクトルの幅が狭く、従来のXYZフィルタ方式の輝度計では要求精度を満足することが難しくなっており、測定精度が不十分となるケースが増えてきました。

2D分光放射計SR-5100は分光測定を行うため、分光放射計と同等レベルの測定精度を確保しつつ、従来の分光放射計で多点測定を複数回にわたって行っていた計測を1回で計測し、さらに測定領域内の分光ムラを表示することができます。

インジケータの輝度ムラ、複数ポイントの分光スペクトルまたは輝度・色度評価

自動車メーターパネル評価

従来のメーターパネルは機械式が主流で、スポット方式の輝度計を使用して発光点ごとの輝度を計測する方法が一般的でした。しかし近年、EV車などでは運転席コンソールの全面ディスプレイ化に伴い異形・曲面・大型化が進んでいます

また、最近ではダッシュボードなどの装飾部品をパネル化し、光透過表示が可能な加飾パネルも増えています。

加飾パネルは表示エリアに対して外光照射の影響や発光の有無による違いなどを管理するため、輝度や色度の多点計測に加えて物体色や透過率の評価が必要です。

2D分光放射計「SR-5100」は従来の輝度測定に加えて、コントラストぎらつき色ムラ多点輝度測定など評価項目も増加しており、それら光学特性評価を効率的に測定することが可能です。

自動車メーターパネル評価

車載ランプ評価

自動車ヘッドランプの光ムラ評価方法はランプを投影するスクリーン上に照度計を配置して測定する方法が一般的でしたが、スポットで測定するためスクリーン上の配光評価が困難でした。

2D分光放射計SR-5100はランプと同じ方向から2D(イメージング)で計測するため、スクリーン上に影が発生することなく配光・光度点・カットオフライン・エルボー点の評価が可能です。

また、ヘッドランプのLED化にともないカットライン上に発生するにじみやアダプティブヘッドライトの評価も行えます!

車載ランプ評価

車載内装部材評価

自動車のシート材やダッシュボードなどの内装部品は布地や樹脂素材、金属など多様な部材が採用されています。ダッシュボードに使用される複数の部品で製造時の素材や表面処理方法、素材の分光反射率の差によって例えば太陽光下では同じ色味に見える素材でも、トンネルなどの暖色光下では色味が変わる場合があります

2D分光放射計SR-5100の標準付属アプリケーションに搭載されている分光シミュレーション機能を使用し、異なる光源のスペクトルデータを加味することで別の光源下における物体色のシミュレーションを行うことができます。

車載内装部材評価


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