塗料等の吹き付けムラで不良品が発生したりしてはいませんか?チューブポンプに替えることでスラリー液の吹き付けムラの発生を抑えることができるかもしれません。

用途にあったポンプの導入

ポンプには移送する液体の性質や粘度・流量・揚程等、あるいは用途に応じて様々な形、大きさ、機構がありマグネットポンプや定量ポンプ、サニタリーポンプなど多くの種類があります。既に導入されているポンプであっても、実際は最適な選定とは言えず、移送する液体の品質に影響を与えたり、ポンプの故障や短寿命化を招いてしまうことも少なくありません。

今回は、弊社でポンプの種類を交換することによってスラリー送液のトラブルを解決した事例をご紹介します。

品質に影響が起きている

弊社のお客様では、金属スラリー液をスプレー散布するために、もともとエアー駆動のダイヤフラムポンプを使用していました。

しかし噴霧する際に基材に吹き付けムラを起こしてしまっていたことが判明したため、比較的低脈動でスラリー液を供給できるポンプを探していました。

Pump motor

スラリー液とは

液体の中に固体を混ぜ合わせたものを「スラリー液」といいます。スラリー液の濃度が濃くなるほど固形分は多くなり、ポンプ内部を移動するときに周りの金属などを削り取ってしまいます。

近年、スラリー液の濃度は高くなり、粒子サイズは細かくなってきています。その一方、スラリー液を移送できるポンプは限られており、使用しているポンプでトラブルが起きているという相談をよくいただきます。

どんなポンプが最適なのか

スクリューポンプと呼ばれる、筒の中でネジを回転させて液体を圧送するポンプも検討しましたが、必要流量が7L/minとあまり大きくないことからオーバースペックであること、回転部分のステータを交換する頻度が高いと見込まれ、費用が年間数十万円もかかることからの点から今回の採用は見送られました。

チューブポンプの導入

チューブポンプとは、弾性のあるチューブをローラーが押しつぶすことで圧力を生み出して移送をするポンプです。

今回は2.5%の硝酸水にアルミナあるいはゼオライトのスラリーを加えたもので、粘度が1000cp程度、噴霧に必要な流量は7L/min、スラリー濃度(wt%)は30wt%ぐらいまで上がるケースもあり、本来ならチューブポンプには向かない液種でしたが、お客様が脈動をなるべく排除したいということでチューブポンプを選定することとなりました。

スクリューポンプと比較すると初期費用はあまり変わりませんでしたが、

・もともと使用していたダイヤフラムポンプと比較すると脈動を減らすことができ、均一な噴霧ができる
・メンテナンス費用が年間数万円程度であること
・吐出レンジの制御がしやすいこと

ということで今回採用となりました。定量的な送液が可能なポンプであり、デモの結果も良好でした。

また、今回は採用しませんでしたが、他にもエアチャンバーなどを代表とするダンパーと呼ばれる振動を抑えるための機構を設置する場合もあります。

お客様にあった最適なポンプを選定します!

スラリー液の量や濃度、設備の条件などによって必要になるポンプは変わってきますので、その時々で必要になるポンプを選定致します。

また、このほかにも当社では流量計や圧力計、フィルターなどポンプに関連するアイテムを多数取り揃えて、みなさまのお手伝いをさせていただいております。何か現状の開発や設計、研究に課題を抱えている場合は、ぜひ当社にご相談ください。

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