接触角の基本とその分類、活用される分野、半導体フォトリソ工程での活用例と最適な機器についてご紹介します。
接触角とは?
接触角とは、液体が固体表面に接触する際の角度を指します。
液滴や液体の表面が固体の表面に触れたとき、その接触点で形成される角度のことを言います。
この角度は、液体が固体表面にどれだけ密着または離れているかを示すものであり、表面の親水性(水などの液体が好む性質)または疎水性(水などの液体が避ける性質)を表すのに役立ちます。
接触角のおおまかな分類
接触角を用いる分野
接触角は材料の表面処理や応用工学、生物学などの分野で重要な役割を果たしています。
例えば、自己組織化膜や撥水コーティングなどが設計される際に表面の親水性や疎水性が調整され、その特性が接触角によって評価されます。
電子材料および半導体産業
- 表面処理
- コーティング
表面処理およびコーティング業界
- 撥水コーティング
- 防汚コーティングの開発
医療機器産業
- 生体適合性の向上
- 生体親和性の向上
食品産業
- 包装材料の表面特性
- 処理機器の表面特性
化学
- 化学プロセス
- 反応槽の設計
環境科学およびエネルギー産業
- 燃料セル
- 液体蓄電池
- 風力発電
半導体分野フォトリソグラフィー工程での活用例
半導体製造において接触角は表面処理や薄膜形成、パターニング、エッチングなどの工程において重要な役割を果たしています。ここでは半導体フォトリソグラフィー工程においての活用例を示します。
レジストコーティング
フォトリソグラフィー工程では、ウェハー上に感光性レジストがコーティングされます。接触角の調整を通じて、レジストが均一に広がり、均一な膜厚が得られるようにします。
濡れ性(親水性・疎水性)の変化はレジストがウェハー表面に適切に密着し、パターニングプロセスにおいて精度を高めるという点において重要な役割を果たします。
プロセス液体の挙動理解
フォトリソグラフィー工程では、様々なプロセス液体(レジスト、現像剤など)が使用されます。これらの液体が表面に適切に付着し、均一な膜を形成することが重要です。
接触角の評価は、液体のウェハー表面での挙動を理解し、不均一な膜形成や液滴の発生を防ぐのに役立ちます。
光学材料の処理
フォトリソグラフィー工程では、レジストのパターニングやエッチングなどのステップにおいて、光学材料が使用されることがあります。
接触角の調整は、これらの材料の均一なコーティングや表面処理に寄与します。
表面エッチングの制御
ウェハーの表面エッチングプロセスでは、エッチング液が均一に広がり、特定のパターンが形成されるようにするために、接触角の理解が役立ちます。
不均一なエッチングは微細なデバイス構造の形成に悪影響を与える可能性があります。
半導体産業に最適な接触角測定システムを取り扱っております
ドイツOEGの接触角測定システムSURFTEN HL 200は、半導体産業・研究の中でも特にシリコンウェハーの表面処理におけるプロセス制御で活用されています。
ウェハーの接触角や濡れ性の調査に最適なツールで、高速・高精度・快適に測定します。8インチモデルをはじめ、ハイエンドなプロフェッショナル向け装置もございます。
自動測定機能で最高精度を実現、通常脱イオン水を用いた試験液の液滴は、手動/自動の直接投与システムによって生成されます。
画像は高品質のライブビデオ画像として表示され、測定は1回のキーストロークで開始します。ソフトウェアは接触角を測定し、数値データを含んだグラフで直ちに表示します。
概略仕様
分解能 | 0.05° | ||
再現性 | +/-0.1° | ||
精度 | +/-0.5° |