近年「カーボンニュートラル」が叫ばれる中「バイオマス発電」の開発が盛んになっているものの、生産量の増加にともない複数の火災事故の発生も報告されています。
本記事では発火前の異常発熱を早期に検知し、警報を通知する「サーモカメラ」をご紹介いたします。
増加するバイオマス発電所での発火事故
近年、バイオマス発電所(専焼・混焼)においてバイオマス燃料に起因する貯蔵・運搬設備等における火災等が増加傾向にあります。
経済産業省からも「バイオマス発電所における安全確保の徹底及び事故発生時の報告のお願いについて」と言う通達も出ており、その安全性に関する懸念や関心が高まっています。
工場火災の要因~バイオマス発電所における発火ケース~
木質燃料、特にチップやペレットは自然発酵しやすく、その過程で熱が発生します。この熱が蓄積されると自然発火を引き起こす可能性があります。
- 木片チップ等が発酵して発生した熱による自然発火
- 木質ペレットが発酵して発生した可燃性のガスに引火
- 砕けて粉末状になった木質ペレットが粉塵爆発を起こし発火
- ペレットやチップを運ぶベルトコンベアの駆動プーリや破砕機の潤滑油に付着して引火
- 輸入木材チップに混入する不純物による発火
- 施設内で発生した静電気や火花が木片チップや石炭に引火
このような火災を起こさないためには異常発熱を早期に検知することが重要です。
自然発火現象の予兆を温度監視で検知する「発火監視システム」
上記のような発火の危険がある場所ではサーモカメラを用いた「監視システム標準パッケージ・発火監視システム」をお使い頂く事で解決出来ます。
火災報知器では、木質燃料の火災に対応できないのか?
一般的な火災報知器は、煙や炎を検知して作動するため、出火を未然に防ぐことは出来ません。
木質燃料の自然発火は、内部で温度上昇が進んでから発生するため、発火前に検知して対策することが重要です!
サーモカメラなら出火前の防災対策が可能!
本製品は、対象物から放射される赤外線を検知し、温度分布を画像として表示することができます。
サーモカメラでの監視により任意に定めた警報温度を超えた場合に警報を通知することにより出火前の防災対策が可能となります。
主な監視場所
木質燃料の貯蔵ヤード、搬送用ベルトコンベアやプーリー周辺、貯蔵サイロやバンカーなど、発熱しやすい箇所が監視対象となります。
非接触監視を遠隔でリアルタイムに監視を行い、発電所の巡回点検に代わる発電所の安全対策として貢献します!
設置例①:燃料ヤード、バイオマス燃料貯蔵ピット監視
- 亜瀝青炭等の燃料や、原材料の自然発火によるヤードの火災防止対策
- ピットに集められた燃焼促進材のバイオマスチップによる火災防止対策
- 燃料を一時保管するサイロやバンカー内の火災防止対策
- 燃料運搬用ベルトコンベアーも触れずに火災防止対策
- 発電所内設備を遠隔点検により火災防止対策
- 燃料運搬用ベルトコンベアーなどのローラー設備も触れずに火災防止対策
設置例②:ごみピット、リサイクルプラント監視
- 可燃ごみや不燃ごみ、産業廃棄物の自然発火によるピット内の火災防止対策
- リサイクルプラントでの破砕工程における破砕物の温度上昇による火災防止対策
設置例③:プラント設備監視(炉壁、配管、スラッジ、電気設備、機械設備等)
- 設備の経年劣化による事故の防止対策
- データの蓄積により、適切な修繕工事時期を予測
工場の巡回点検に代わる安全対策におすすめ
以上のように、本製品は発火の予兆を早期に発見し、迅速な初期消火や燃料の移動などの対策を講じます。
これにより、火災による施設や設備の損傷、操業停止などのリスクを大幅に低減することができます。
また、本製品はサーモカメラと可視カメラを組み合わせることで、温度変化と現場の状況を同時に把握することができます。さらに、Webブラウザ制御に対応しており、遠隔地からの監視も可能です。
「監視システム標準パッケージ・発火監視システム」にご興味をお持ちの方はお気軽にお問合せ下さい。