増える派遣社員と作業による事故リスク
人手不足の影響で、派遣社員やパートの方が製造現場で働いている光景も日常となり欠かせない戦力となりました。そのうえ、派遣社員やパート人材でさえも確保しにくいという状況もよく耳にしますが、下記のようなことでお困りではありませんか?
- 労働者の作業スキルにばらつきがあることによって作業手順の平準化が困難な工程がある
- 危険を伴う作業があることは認識しているが、対策が後手に回っている
- 具体的に何をどうしたらいいかわからない
- 安全性に問題があると離職率が高く、人材確保も困難になるのではと懸念している

作業事故リスクへの対応
電子部品を製造するメーカーでは、業務多忙で3交代制で派遣社員の方が製造ラインで働いています。作業の熟達度合いや体格差がさまざまななか、運搬に事故リスクをはらむ作業がありました。
人手不足でなかなか派遣社員も集まらないなか、やめてしまう派遣社員を防ぐためにも現場の改善に重心を置いており、社内で定期的な安全対策会議を開催されています。
今回、事故発生のリスクを低減したいということでご相談をいただいたのは下記のような手順で、薬品を補充する作業でした。
- 製品を製造する装置で使用している薬品ボトルの薬品残量が減るとアラームが鳴る
- 作業者が薬品ボトルを装置からとりだし、お盆状のものに載せ、手で持ってクリーンベンチまで運搬
- クリーンベンチ内で薬品タンクからボトルに薬品を補充
- 再度お盆状のものに載せ、ボトルを装置に戻す
このボトルは上部が一部開口しており、作業者が運搬中に転倒した場合に薬品が飛散する危険性がありました。また、補充の際にもボトルを倒してしまうリスクがありました。
そこで、今回は作業内容をおうかがいし、何回かの試作イメージのやりとりを経て運搬用・補充用2種類の特注治具を樹脂で作成しました。

【①運搬治具】作業時は厚手の耐薬手袋を使用するとのことで、持ちやすさを考慮しボトルを運搬用治具に格納しロック、作業者が持っている間に転倒しても薬品が飛散するのを防ぐ構造としました。
ボトルをクリーンベンチに運搬後、クリーンベンチ内で補充用治具にボトルをセットしなおし、薬品タンクからボトルに補充します。ボトルへ補充する際の漏斗も補充用治具と一体化しており、薬品に触れる部材数が少ない点もポイントです。

【②補充用治具】薬品補充後は再度、運搬用治具にボトルを入れ装置に戻します。
今回ご紹介した事例に限らず、製造現場での作業リスクに対応するご相談や加工品での対応を当社では承っております!

ご相談、承ります!
当社では樹脂、金属、石英ガラス、セラミックスなどの材料でお客様のご要望に合わせた作業リスクの低減に寄与する加工品や機器の作成を数多く手掛けております。
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