
製造現場における安全対策は、ハード(物理的な安全)対策とソフト(人的・管理的な安全)対策の両輪で進めることが重要です。本記事では、ハード対策において有効なソリューションをご紹介します。
目次
【死傷者24,000人/年】製造現場における事故の内訳
製造業における死傷災害を型別にみると多い順に下記5つの原因があり、これらで製造業の死傷者数の75%を占めます。
1.はさまれ・巻き込まれ

機械やコンベアなどの設備に手や衣服等が巻き込まれることによって発生します。
特に重大な死傷事故につながりやすい傾向にあります。
特に重大な死傷事故につながりやすい傾向にあります。
2.転倒

床がすべりやすい状態であったり、作業場の整理整頓が不十分であったりすると発生します。
3.墜落・転落

高所作業における安全帯の不使用や柵の老朽化により発生します。
4.切れ・こすれ

工具の使用だけでなく、突起物の加工、金属やガラス、回転体との接触などにより発生します。
5.運搬・搬送時における動作の反動・無理な動作

重量物を持ち上げる、工具や機械の反動、急に体勢を変える・バランスを崩した際に筋肉を傷めるなどといった原因が考えられます。
製造業は元来、機械や重量物を扱う作業が多いためこうした災害が発生しやすい状況にあります。
上記以外にも、化学物質や薬品を使用している場合は有害物質の吸入や接触等、リスクとは切っても切り離せない関係にあります。
ハード対策とソフト対策を組み合わせた多角的な災害対策が必須
ハード対策(物理的対策)とは
ハード対策の定義
物理的な設備や環境を改善することで、危険源を根本的に排除または低減する対策。
ハード対策の特徴
- 人的要因によるミスが発生しても、事故を防ぐ効果が高い
- 一度導入すれば、継続的な効果が期待できる
- 導入にコストがかかる場合がある
ソフト対策(管理的対策)とは
ソフト対策の定義
作業者の意識向上や行動変容を促すための対策、および組織全体の安全管理体制の構築。
ソフト対策の特徴
- 作業者の安全意識や知識を高め、安全な行動を習慣化する
- 組織全体の安全文化を醸成し、継続的な改善を可能にする
- 効果が現れるまでに時間がかかる場合がある
上記のように、製造現場における安全対策は、ハード対策とソフト対策の両輪で進めることが重要です。設備の安全化や作業環境の改善に加えて、作業者の安全意識を高め、組織全体の安全文化を醸成することで、事故の発生を未然に防ぐことができます!
【実績多数!】ハード対策(物理的対策)の例
機械設備の安全化
安全カバー、インターロック機構、非常停止ボタンの設置

【転落防止】タンクの開放不要で交換可能!「自己保持型フロート式液面計」
従来の液面計交換に伴う様々な問題(異物混入やガス漏洩等のリスク回避、タンク開放・清掃作業の省略による作業時間の短縮)を解決します。
従来の液面計交換に伴う様々な問題(異物混入やガス漏洩等のリスク回避、タンク開放・清掃作業の省略による作業時間の短縮)を解決します。
作業環境の改善
重量物の運搬や作業スペースの確保、床面の滑り止め対策、照明の増設
保護具の活用
安全ヘルメット、安全靴、保護メガネ、安全手袋の着用徹底
自動化設備の導入
危険作業の自動化

【小規模な自動化】薬液を容器に充填する工程のみを自動化
製造した薬液を容器に充填する工程において、「1日8時間×5日間つきっきりの作業」を自動化。また、従来8時間かかっていた作業が、半分の4時間に短縮するという効果も!
製造した薬液を容器に充填する工程において、「1日8時間×5日間つきっきりの作業」を自動化。また、従来8時間かかっていた作業が、半分の4時間に短縮するという効果も!
ソフト対策(管理的対策)の例
- 安全教育の徹底
新規採用者教育、定期教育、特別教育の実施 - 作業手順の標準化
作業手順書の作成、KYT(危険予知訓練)の実施 - リスクアセスメントの実施
潜在的な危険源の特定と対策 - ヒヤリハット活動の推進
事例収集と情報共有、対策の検討 - 安全パトロールの強化
定期的な巡回と是正措置 - コミュニケーションの促進
作業前のミーティング実施等
ハード対策とソフト対策で組織全体の安全文化を醸成
安全対策は一度実施すれば終わりではなく、継続的な見直しと改善が不可欠です。定期的なリスクアセスメントやヒヤリハット活動を通じて、常に現場の状況を把握し、最新の安全対策を取り入れていくことが大切です!
また、弊社では製造現場におけるハード対策に多数の実績がございます。お気軽にご相談ください。