「へら絞り」をご存じですか?「へら絞り」とはSUS、アルミ、真鍮、鉄、銅、チタンなどの金属を加工する手法で、平面状あるいは円筒状の金属板を回転させながら「へら」と呼ばれる棒を押し当てて少しずつ変形させる加工方法で塑性加工やスピニング加工と言われる加工方法のひとつです。
へら絞り加工の特徴
「へら絞り」という加工をご存じですか?
SUS、アルミ、真鍮、鉄、銅、チタンなどの金属を加工する手法で、平面状あるいは円筒状の金属板を回転させながら「へら」と呼ばれる棒を押し当てて少しずつ変形させる加工方法で、塑性加工やスピニング加工と言われる加工方法のひとつです。
プレス加工は雄型と雌型を必要としますがへら絞りは雄型のみで加工を行うことができるので、初期費用が安く済み、多品種少量生産に適しています。
加工技術の最大の特徴は、軸対称の金属製品ならほとんど加工ができ、複雑な形状も必要最小限の工程でできますので短納期、コストダウンにつながります。
従来の加工方法を見直してコスト削減・軽量化を実現!
ある製造装置メーカーの部品の例では、従来の加工方法(機械加工+レーザー加工+溶接+バフ研磨+メッキ)からヘラ絞りを使った加工方法へ変更(へら絞り+レーザー加工+溶接+バフ研磨+メッキ)した事により1,800個/年間使用する部品のコストを50%削減させることができました。
また、別の製造装置メーカーが使用する部品では従来の機械加工では一定以下の薄さにする事が難しく不必要に厚くせざるを得なかったものがへら絞りの加工に変更した事により本来希望する薄さにする事ができ33%の軽量化を実現させると同時に材料費を含む19%のコスト削減も実現させました。
さまざまな分野で使用されているへら絞りの製品
へら絞りを使った部品や製品が多く使われている分野は、
・半導体製造装置
・射出成型機
・電子顕微鏡
・真空装置
・医療機器
・食品製造機器
・航空機・宇宙ロケット
・車両(鉄道、自動車)等から生活関連用品やオブジェ等幅広い分野で使われています。
近年では航空機のノーズコーン、宇宙ロケットのペイロードフェアリング等高度な精度が要求される分野での特殊な技術として採用されており、その加工技術は非常に優れています。
現在、金属の加工品をお使いの方は一度へら絞りでの加工もご検討してみてはいかがでしょうか。