金属や樹脂、ガラス、ゴム等の開発品における加工の悩み
金属や樹脂、ガラス、ゴムあるいはそれらの複合素材の研究開発を行っている方にとって、いくつものの原料配合を微妙に変えて作成した素材を加工する際、レーザー加工、切削・マシニング加工など、用途に合わせて様々な方法が存在しますが、どのような方法で加工するのが最適か悩んだことはありませんか?
たとえば、
・加工による素材に対する熱の影響をできるだけ抑えたい
・加工による応力などのストレスを素材に与えたくない
・やわらかくて従来の加工では切断しづらい素材だ
といったお悩みはありませんか?
今回は、加工方法の1つとして、ウォータージェット加工についてご紹介をしたいと思います。
ウォータージェット加工とは
ウォータージェット加工とは、300MPa以上の超高圧に加圧し 、約φ1mm程度のノズルから超高速に噴出された水流で切断・穴あけ・溝掘り・剥離・バリ取り・はつり・掘削・ショットピーニング・洗浄・撹拌を行う加工方法です。
ウォータージェット加工は水を使用するため、熱による影響が少なく、素材機能にダメージを与えないという特長を持っています。
主な特徴は以下の4点になります。
1. 素材への熱の影響がない
ウォータージェット加工では水を使用するため加工による素材に対する熱の影響が少なく、熱による有毒ガスの発生や素材自体の変質が伴いません。
2. 素材機能にダメージを与えない
加工による素材へのダメージが少なく応力も残らないため、素材に歪が発生することがほとんどありません。
3. 切断する材質を選ばない
水流の調節により柔らかいフィルムから硬い金属まで、薄いもの、靭性があるもの、脆性なものまで加工が可能です。
4. 環境にやさしい
水流は水道水、研磨剤は天然石のため環境に配慮した加工を行うことが可能です。
例1)石英ガラス
こちらの画像が石英ガラスの切断をしたものです。加工応力が少ないためガラス材も割れずに加工できます。また、薄い素材から厚い素材まで加工できるのもウォータージェットの特長です。
例2)CFRP (炭素繊維強化プラスチック)
こちらはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の加工事例です。難加工材と呼ばれ、高強度・高硬度な材質のため、一般的に加工はしづらいものですが、ウォータージェット加工では、切断の形状を自由に切り出すことが可能です。
例3)アクリルにアルミニウムをはめ込んだオブジェ
メリット・デメリット
ここまで読んで頂くと、ウォータージェットは今までの加工法よりも優れている、と考えられた方もいらっしゃるかもしれません。ウォータージェットは多種多様な加工が行えますが、従来の加工に全て取って代わるものではありません。
お互いのメリット・デメリットを相互に補完して、あらたな製品を生み出すための加工技術となります。
メリットは前述した、素材を選ばないことや、熱の影響がないことですが、デメリットは水を使用しているため濡れてしまうことやレーザー加工と同程度の精度はあるものの、超精密機械加工までの精度はもっていないことなどです。それぞれの加工方法の特徴をまとめた表を下記しますので、ご参照ください。
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今回はウォータージェット加工のご紹介をいたしましたが、いかがだったでしょうか。
・従来の加工では切断しづらい素材だ。
・加工による素材に対する熱影響をできるだけ抑えたい。
こんな材料の開発を行っているかた、お困りでしたら当社にご相談ください。
また当社では、少量の開発品の加工だけでなく、圧延、焼鈍、耐薬品性評価などさまざまな開発支援を行っております。
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