近年、カーボンニュートラルの実現や電気料金の高騰対策として、工場の照明を水銀灯や蛍光灯からLEDへ切り替える動きが加速しています。しかし、導入後に現場から「以前より暗くなった」「手元が見えにくい」といった不満の声が上がるケースが少なくありません。照度計を用いた改善案について解説します。せっかくの省エネ対策が、作業効率の低下や事故を招いては本末転倒です。なぜLED化で「暗さ」を感じるのか。その原因を紐解き、デジタル照度計「IM-600」を用いた、現場が納得する改善策を提案します。

目次

  1. LED導入後に「暗い」と感じる3つの理由
  2. 現場の不満を解消する「数値による可視化」
  3. テクノオプティスIM-600による高精度な測定
  4. 数値を活かした「賢い省エネ」の進め方
  5. まとめ:データが支える「安全な省エネ」

LED導入後に「暗い」と感じる3つの理由

全光束(ルーメン)の値は十分なはずなのに、なぜ現場は暗く感じるのでしょうか。そこにはLED特有の性質が関係しています。

お客様6
  • 光の直進性と拡散不足: LEDは一定方向を照らす力が強い反面、光が広がりにくい性質があります。天井全体は明るく見えても、棚の裏や機械の陰に光が回り込まず、現場では「暗い」と感じてしまうのです。
  • 壁面・天井の反射低下: 水銀灯などは全方位に光を放つため、壁や天井の反射によって空間全体がぼんやりと明るくなります。LEDは下方向のみを照らす傾向があるため、空間全体が「沈んだ」印象になります。
  • 心理的な色の影響: 光の色(色温度)が変わることで、視覚的に暗くなったと錯覚することがあります。

現場の不満を解消する「数値による可視化」

「暗い」「見にくい」という現場の訴えに対し、「カタログスペック上は明るいはずだ」と突き返しても解決にはなりません。ここで重要になるのが、「客観的な数値(照度 lx)」による現状把握です。

感覚的な議論を排除し、現在の明るさがJIS規格や安全基準を満たしているかを照度計で測定しましょう。数値で示すことで、以下のような「納得感」のある対策が可能になります。

  • 基準を満たしていない場所を特定し、ピンポイントで照明を追加する。
  • 基準は満たしているが暗く感じる場合、タスク・アンビエント照明(全体照明と局所照明の併用)を検討する。

テクノオプティスIM-600による高精度な測定

省エネと作業環境を両立させるための強力なパートナーが、デジタル照度計 IM-600です。

LED照明の照度測定には、実は注意が必要です。安価な照度計ではLEDのスペクトル(光の成分)を正しく捉えられず、誤差が生じることがあります。

IM-600は、標準比視感度に近い分光応答特性を備えており、LEDを含む多様な光源を正確に測定できます。

また、IM-600はホールド機能を搭載しているため、高所や狭い場所など、画面が見えにくい位置での測定でも数値を固定して後からゆっくり確認できます。これにより、工場の入り組んだライン間でも漏れなくデータを収集することが可能です。

数値を活かした「賢い省エネ」の進め方

IM-600を使って以下のステップを踏むことで、現場の満足度を下げずに最大効率の省エネを実現できます。

  1. 事前測定: LED化の前に、現在の(古い照明の)照度分布を記録する。
  2. シミュレーションとの比較: LED導入直後に再度測定。シミュレーション値と乖離がないか、特に「作業面」での明るさを徹底チェックする。
  3. 間引き点灯の検証: 通路など、過剰に明るい場所を特定。数値を根拠に「ここは1灯消しても基準値をクリアできる」と判断し、さらなる節電を図る。
  4. 定期的な光束維持率の管理: LEDの経年劣化による減光を定期的に測定し、適切な清掃や交換時期を検討する。

まとめ:データが支える「安全な省エネ」

照明のLED化は、単なる器具の交換ではなく「光環境の再設計」です。現場の「暗い」という違和感を放置せず、IM-600による精密な測定で解決しましょう。

「基準値を満たしている」というエビデンスがあれば、経営層には省エネ成果を、現場には安全性を、それぞれ根拠を持って示すことができます。数値に基づいた納得感のある改善こそが、ものづくり現場のDXの第一歩です。

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