合成石英ガラスとは?

一般的に石英ガラスといえば溶融(天然)石英のことを言いますが、もう一つ合成石英ガラスと言う石英ガラスがあります。一般の溶融(天然)石英に比べ合成石英は純度が高く不純物が極端に少なく、光の透過性にも優れている石英ガラスです。

目次

  1. 溶融(天然)石英ガラスと合成石英ガラスとの違いと特徴
  2. 合成石英の加工と素材
  3. 今後期待される材料として

溶融(天然)石英ガラスと合成石英ガラスとの違いと特徴

溶融(天然)石英は天然の石英(水晶)を電気や酸水素で溶融し精製して製造されますが、合成石英は超高純度の四塩化珪素(SICl4)を原料に化学的に製造されます。

溶融(天然)石英も非常に純度の高いガラス(SIO2 99.9%以上)ですが合成石英は更に純度が高く、元素によっては溶融石英の100分の1以下にコントロールされているガラスです
そのため、不純物を極端に嫌う半導体の製造工程で良く使われています。

また異物や泡もほとんど含まれていない為、真空紫外領域~赤外領域の広い波長領域で優れた光の透過性を有しているので液晶パネル製造用のマスク基板やレーザー用のレンズやミラー等の光学用途にも用いられます。

合成石英の加工と素材

火加工、研磨、切削、穴あけ等一般の溶融石英と同じ加工ができますが、非常に高純度なため加工する作業現場も非常にクリーンな環境が求められる場合もあり、合成石英の加工ができる工場が限られることもあります。

又パイプ(管)、板、ムク棒等の素材が一般の石英に比べて製造量や流通量が少ないこともあり、これらは合成石英製品の納期が長くなったり、価格が高くなる要因でもあります。

今後期待される材料として

今後の半導体の製造工程での需要の増大はもちろん、その他の様々な業界で不純物を嫌う実験や製造工程は増えてくると思われます。

例えば溶液や薬液の保存容器からの不純物の流出を嫌う場合の容器としての合成石英の使用、真空紫外領域の光を活用した新製品開発等、これからの合成石英の活躍の場は増えてくると思われます。

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